予想方法

【競艇の良いモーターと悪いモーターの違い】出足・行き足・回り足・伸び足を見極めるには!

競艇予想に欠かせない要素の一つ、選手が操縦する艇の原動力「モーター」。たとえ選手が強く天候やコースが良くても、モーターが弱いとレースでは勝ちづらいと言われています。

しかし、モーターの強さは目視での雰囲気でしか判断できないので、競艇初心者の場合、区別が付かない人がほとんどでしょう。

そこで今回の記事では、

  • 良いモーターと悪いモーターの違いとは
  • 出足・行き足・回り足・伸び足を見極める方法は?
  • 天候は関係するの?
  • 選手のコメントから見極める方法は?

など、予想の的中率を上げる必須要素「モーター」の強さを解説していきます!

モーターの強さはどこで見ることができるの?

まずは良いモーターと悪いモーターを見極めるために、モーターの強さを確認する方法を押さえましょう。モーターの強さは、出走表では「モーターの2連率」から確認できます。

「(モーターが1・2着を獲った回数/モーターの出走回数)×100」

2連率は上記の計算式で出され、数値が高い方が強いモーターと判断して良いでしょう。

しかし、モーター2連率は100%信用できる数値ではありません。
レース前に抽選で選ばれるモーターは、選手が行なった調整や天候で直前になって調子が変わることも。

よって、モーター2連率は「モーターの強さの目安」と捉えておくと良いですね。

競艇の良いモーターと悪いモーターの違いとは?

ボートに取り付けられるモーターは、ボートレースの主役ともいえる存在。

そのため、ここでは、モーター2連率の割合から良いモーターと悪いモーターを判断していきましょう。

  • 良いモーター:2連率が40%以上のモーター
  • 悪いモーター:部品交換直後のモーター

「良いモーター」とは?:2連率が40%以上のモーター

モーター2連率が40%以上なら、優良モーターと捉えましょう。

多くの競艇場が、所持しているモーターの2連率を競艇場ごとの公式HPで公開しています。例えば、2019年10月26日終了時点での桐生競艇場のモーター2連率を見ると

  • 40%以上:7機
  • 30%~40%:34機
  • 30%以下:24機

以上の結果になっています。40%以上のモーターは、優出回数と優勝回数も高いので良いモーターと言えますね。(参考:BOATRACE 桐生オフィシャルサイト)

「悪いモーター」とは?:部品交換直後のモーター

一方、悪いモーターと言えるのは、部品交換直後のモーターです。特にモーターの中心部を交換した場合、よほどのことがない限りは交換されない部品を変えたということなので、調子が悪すぎると判断しましょう。

  • クランクシャフト
  • シリンダーケース
  • ピストン3~4本
  • ピストンリング3~4本
  • ギヤケース
  • キャブレタ
  • 電気系統一式
  • キャリアボデー

以上の部品の中から、太字で示した4つはモーターの根幹に関わっている部品です。選手が交換している場合は、モーターの調子がより悪いと判断できますね。

またモーターが交換された直後は、モーター2連率の数値を正確に示すことができません。出走数が少ないため、モーターの性能よりも操縦する選手の実力でモーター2連率を決定してしまうのです。

なお、モーター2連率の正確なデータが揃うまでに、交換日から2ヶ月は要します。
2ヶ月間は、展示航走を重視すると予想がしやすいですよ。

各競艇場のモーターとボートの交換の時期はいつ?

競艇場が所持するモーターとボートは、1年に一度決まったタイミングで一斉に新品に交換されます。

前もって各競艇場の交換の時期を確認しておくと、予想に反映しやすいですよ。各競艇場のモーターとボートの交換時期について、表にまとめたので参考にしてみてください。

競艇場 モーター ボート
桐生 12月 10月
戸田 7月 7月
江戸川 4月 4月
平和島 6月 6月
多摩川 8月 8月
浜名湖 4月 9月
蒲郡 5月 5月
常滑 12月 7月
9月 8月
三国 4月 4月
びわこ 6月 6月
住之江 3月 3月
尼崎 4月 4月
鳴門 4月 4月
丸亀 11月 7月
児島 1月 3月
宮島 9月 9月
徳山 4月 11月
下関 2月 2月
若松 12月 6月
芦屋 5月 4月
福岡 6月 6月
唐津 8月 4月
大村 3月 7月

モーターの性能は出足・行き足・回り足・伸び足で決まる!

競艇では、モーター性能を評価する際に「足」を使いますが、以下の4種類があることを押さえておきましょう。

出足 低速からの加速のしやすさ
行き足 初速から最高速に達するまでの中間速
伸び足 直線のスピードの伸び
回り足 ターンのしやすさ

このうち、各コースで重要な「足」を知っておくとレース展開を予想しやすくなりますね。
1つずつ解説していきましょう。

  • 出足・行き足が重要→1~3のインコース
  • 伸び足・行き足が重要→4~6のアウトコース
  • 回り足→どのコースからのスタートでも第1ターンマークでの攻防が有利

1~3コース:出足・行き足が重要

1~3コースでは、スタートタイミングに必要な「出足」と、より速く最高速度に達するための「行き足」が重要です。

1〜3コースはスタート前の助走距離が短いため「スロー勢」と呼ばれますが、遅れずスタートができると、高確率で勝利を掴むことができます。

そして、レースの90%は第1ターンマークの攻防で決まる競艇では、他の艇よりも早く到達するためにスタート後の加速力が必要になります。

そのため、出足・行き足の調子が良いときは1〜3着になりやすいですね。

4~6コース:行き足・伸び足が重要

4~6コースでは、早く最高速度に達するための「行き足」と、最高速度になったときに速く走るための「伸び足」が重要です。

4〜6コースは、スタート前の助走距離が長いため「ダッシュ勢」と呼ばれますが、勝つには「まくり」か「まくり差し」を決める必要があります。

他の艇よりもスピードを出し、先行する艇を外側から抜く必要があるためです。

そのため、スピードが出せる足が勝負の鍵を握ります。

全コース:回り足が重要

ターンのしやすさを示す「回り足」は、1~6の全コースで重要な足です。

決まり手で多く使われる「差し」や「まくり」は、ターンの良し悪しで決まるかどうかが変わってきます。

そのため周り足の調子が良い方が、決まり手を行いやすく良いモーターだと判断しましょう。

また、回り足が悪いと、ターンで艇が転覆する危険があります。

結果、回り足は、全コースで重要だと言えます。

モーターの出足・行き足・回り足・伸び足を見極める方法?

ボートレース場には約60機のモーターが用意され、どのレーサーがどのモーターを使うかは節ごとに抽選で決定されます。そのため予想者は、4種類のモーターの足を見極める必要がありますね。

見極めるためには、「展示航走」で確認することをおすすめします!

展示航走とは、本番のレース前にレースに出走する選手がスタートの練習やモーターの試運転を行い、全速力でレースコースを2周すること。

展示航走は、3つの順番で実施されます。

  1. スタート展示:次のレースに出場するレーサーが本番のレースを想定したコース取りとスタートを行うこと
  2. 周回展示:旋回の調子や直線の走りを本番レース前に披露する
  3. 展示タイムの発表:周回展示2周目のバック側の直線150mのタイム

上記3つの手順が行われている間に

  • 出足、行き足、回り足→目で見た印象で判断
  • 伸び足→数値で確認

以上を予想者は見極める必要があります。

出足:スタート展示のスタートライン(スリット)前で見極める

出足は、スタート展示のスタートライン(スリット)前で見極めます。

スタートライン前の6艇すべての艇の先を見比べたとき、滑らかに前へ出てくる艇が出足の良いモーターと判断できます。

一方、スタートラインの前に取り残された感じの艇は、出足が悪い可能性が高いですね。

スタートタイミングは、選手によっては軽い準備運動のように流す場合も。スタートタイムの他に「実際にどのくらい加速しているか」もチェックしておきましょう。

行き足:スタート展示(スリット後)で見極める

行き足は、スタート展示のスタートライン後(スリット後)で見極めます。

スタートライン後の6艇すべての艇のお尻を見比べた際、

行き足が良いモーター 行き足が悪いモーター
  • 前の艇に追いついた
  • 前に出ることができている
  • 前の艇から引き離された
  • 後ろに下がってしまう

以上のように判断できると、行き足を見極められたと言えますね。

伸び足:展示タイムで見極める

伸び足は、展示タイムで見極めます。

展示タイムは、周回展示の2周目のバックストレッチのスタートライン延長線から第2ターンマークまでの計150mで計測されます。

タイムが早ければ、直線での伸びが良いことになります。

展示タイムが表示された6艇の中で、「最も早い艇」と「最も遅い艇」を見つけると判断がしやすいですね。

回り足:周回展示で見極める

回り足は、周回展示で見極めることができます。

回り足が良いモーター 回り足が悪いモーター
  • ターンで暴れていない
  • ターンがコースの内側に流れていく
  • ターンで暴れる
  • ターンがコースの外側に流れていく

さらに、コースの内側と外側のどちらに艇が流れていくのかを見ておくと、小回りのターンか大回りのターンか判別できます。

「チルト」の角度で足が変化する

モーターをボートに取り付ける角度を「チルト」と言います。

競艇場ごとに調整できるチルトの角度は決まっており、「-0.5度、0度、1.0度、1.5度、2.0度、2.5度、3.0度」から選べます。

選手はレース前に自分の戦略に合わせてチルトを変更できるので、次のように調整しています。

  • チルトを下げる→艇が下を向き、水面と触れる面積が大きくなり「出足」や「回り足」が良くなる
  • チルトを上げる→艇が上を向き、水面と触れる面積が小さくなり「伸び足」が良くなる

現代の競艇では回り足が重視されているので、チルト「-0.5度」が選ばれることが多い傾向にあります。

しかし、アウトコースの選手がチルト「0度以上」にしていることも。
この場合は「まくり」で勝負をしかける可能性があるので、出走表を確認しておきましょう。

気温はモーターに影響を与えるの?

モーターは、気温や水の温度で出力が変わるように作られています。

  • 冬場→1〜3コース有利、気温が低いので出足が強くなる
  • 夏場→4〜6コース有利、気温が高いので出足が弱くなる

競艇場によっては、季節別で1コース1着率の差が激しくなるので、季節ごとの気温や風の影響などを確認することをおすすめします。

またナイターレースでは、1コース1着率が昼間のレースよりも格段に上がります。ナイターでは、日が沈んでいるので日中よりも気温が上がらないことが原因です。

詳しくは、ナイターレースを開催している競艇場のHPから確認できるので、参考にしてみてください。

モーターの強さは選手コメントからも判断ができる!

モーターの強さは、ピットレポートの選手コメントからも確認することができます。

選手コメントでは、モーターの調整方法やコメントの自信度まで確認できるので、レース予想にはぜひ活用したいところ。

選手コメントは、一部のレースでしか公開されていない場合もあります。自分が予想するレースでは選手コメントが見られるかを競艇の公式HPから確認しましょう。

例えば、モーター全体が良いときの選手コメントからは、

  • 舟足が良い
  • 実践足がある
  • レース足が良い

などが確認できます。モーター全体の調子が良い時は、「4種類の足のバランスがとれている」などのコメントが目立ちますね。

2019年3月21日の第54回ボートレースクラシック第12レースで、吉川元浩選手は

舟足はずっといい感じできているし、いい状態をキープできている。レースに行っていい舟足。

以上のようにコメントしており、モーターにかなり自信を持っていることが分かります。

まとめ:調子の良いモーターは選手の実力以上の結果が期待できる

今回は、的中率を上げる必須要素「モーター」の強さを解説してきました。

〜「モーターの強さ」まとめ〜

  • 良いモーター:2連率が40%以上のモーター
  • 悪いモーター:部品交換直後のモーター
  • 各競艇場のモーター交換の時期を知るとモーターが弱い時期が分かる
  • モーターは気温や水の温度で出力が変わるように作られている
  • モーターの性能は出足・行き足・回り足・伸び足で決まる
  • モーターの強さは周回展示、選手コメントからも判断ができる

2連対率が40%を超えたモーターは調子が良いため、選手の実力以上の結果が期待できます。しかし部品交換直後のモーターは、調子が悪いため交換していることが多く、予想の際は注意が必要です。

良いモーターか見分けるために、モーター2連率や周回展示、ピットレポートの選手コメントを確認しましょう。

モーターの強さをチェックしておくと、レース的中率がグッと上がるのでぜひ予想の際は確認してくださいね!