どのスポーツ競技でも、スタートは肝心ですよね。
中でも競艇は、スタートラインでタイミングを合わせてスタートする「フライングスタート方式」を採用しているため、ボートレーサーは大時計を見ながらわずか0.1秒の世界を競います。
また、スタート後の1周第1ターンマークでは、約90%の確率で勝負が決まるので目が離せません。
つまり、競艇ではスタートタイミングと第1ターンマークの展開を予測できると的中率が向上すると言えますね。
そこで今回の記事では
- スタートタイミングとは?
- スタートタイミングごとのコース別の有利・不利は?
- スタートタイミングを予想する方法は?
- 第1ターンマークのコースごとの戦略は?
など、スタートタイミングや第1ターンマークの攻防の予想方法について解説していきます!
スタートタイミングとは?
スタートタイミングとは、「それぞれの選手がスタート時刻の何秒後にスタートしたか」を示したもの。出走表では「ST」と書かれています。
競艇は、「フライングスタート方式」という独特のスタート方式を採用しています。
競艇場の水面は風や波の影響で水面が荒れやすいため、陸上競技のように艇を横一列に並べて「よーいドン!」の合図ではスタートできません。
そこで、スタートライン付近に設置された大時計の針が、12~1秒の間に入ったタイミングでスタートラインを通過する方式を取っているわけです。
選手はどうやってスタートタイミングを合わせるの?
選手は、一般的な通過目安を参考にスタートタイミングを決定しています。
- 200m地点→残り10秒
- 150m地点→残り8秒
- 100m地点→残り6秒
スタートタイミングを合わせることが難しい競艇ですが、このように秒数を元にしてスタートを切っているわけです。
トップレベル選手の平均STは「0.15」
トップレベル選手は、独自のスタートタイミングを持っていることが多く、平均STは「0.15」。
実際、2019年3月21日に戸田競艇場で行われた「第54回ボートレースクラシック」の第12レースでは、次のようなスタートタイミングになりました。
上のスタート情報を見ると、1号艇のみ「0.15」秒以内にスタートしており、実際このレースを制しています。
スタートタイミングが「0.15」秒違うと、一艇身の差がつくので、スタートタイミングが早ければ早いほどレースを有利に運べますね。
つまりスタートタイミングが早い選手を予想すると、的中率を上げることができます!
スタートタイミングからレース展開を予想する方法は?
それでは実際にスタートタイミングからレース展開を予想するには、何から判断すれば良いのでしょうか。その方法を4つご紹介します。
- 選手コメントから選手の自信を判断する
- 平均STかコース別平均STを基準に設定
- その節の平均STから、その節の調子を判断する
- フライングが付いている選手には要注意
①:選手コメントからスタートへの自信を判断する
レース直前の選手の生の声が聴ける「ピットレポート」では、選手ごとのスタートへの自信度を判断することができます。
コメント内容から、次のように分けると判断がしやすいです。
- スタートに自信がある選手→「合っている」「行けている」「分かってる」
- スタートに自信がない選手→「合っていない」「届いていない」「分からない」
など、自信がある選手ほどプラスの表現をしていると分かるので、ピットレポートの選手コメントで見つけてみてくださいね。
②:平均STかコース別平均STを基準にする
選手ごとの平均STかコース別平均STから、スタートタイミングを予想することができます。
2019年3月21日の第54回ボートレースクラシック最終レースの出走表を見ると、1、4、6号艇は平均STが早く、3号艇が遅いことが分かります。
より正確にスタートタイミングの予想をする際は、公式HPの選手データのコース別成績に書かれた「コース別平均ST」をチェックしましょう。
③:節の平均STから、その節の調子を判断する
今節成績の平均STを計算し、今節の平均STと出走表に書かれた平均STを比べると、選手ごとのその節の調子が分かります。
以下のような傾向があると、調子の良し悪しを判断できるので参考にしてみてくださいね。
調子が良い選手 | 調子が悪い選手 |
|
|
④:フライングが付いている選手には要注意
出走表で、フライング(F)が付いている選手は、スタートタイミングで調子が良いとは言い難いので注意しておきましょう。
また、Fを1つでも持った選手は、自分にとって納得のいくスタートを切れない確率が高い可能性があります。
さらにフライングをした選手は、出場したレースの失格に加え、出走が決まっている節が終了した後に出走禁止期間「フライング休み」に入ることに。期間は、フライングをした合計の回数によって、下の表のように課せられます。
回数 | フライング休み |
1回 | 30日間 |
2回 | 60日間 |
3回 | 90日間 |
4回 | 180日間 |
フライング休みを考えて、スタートタイミングで慎重になる選手もいるので、出走表の平均STや選手コメントを確認しておきましょう。
第1ターンマークのコース毎の戦略は?各コースの「決まり手」をチェック
競艇の全レースのうち、約90%のレースはスタートから1周第1ターンマークで勝負が決まる競艇の世界。
これは1周1マークのターンを1番で旋回すると、後続の艇の前にできた引き波の影響を受けにくくなり、より早く走れ、安定した旋回ができるためです。
結果、第1ターンマークの展開を読むことができると、舟券の的中率を格段にアップさせることができるわけですね。
コース別の決まり手の平均値を示してみると、下の表のようになります。
コース | 逃げ | 差し | まくり | まくり差し | 抜き | 恵まれ |
---|---|---|---|---|---|---|
1コース | 94.4% | 0.0% | 0.0% | 0.0% | 5.4% | 0.2% |
2コース | 0.0% | 64.3% | 24.3% | 0.0% | 10.0% | 1.4% |
3コース | 0.0% | 13.0% | 38.4% | 35.6% | 11.8% | 1.3% |
4コース | 0.0% | 19.9% | 42.7% | 26.5% | 9.6% | 1.4% |
5コース | 0.0% | 7.6% | 20.5% | 58.8% | 10.9% | 2.3% |
6コース | 0.0% | 11.6% | 22.6% | 48.0% | 14.6% | 3.2% |
- 表を見ると、次のように分析できます。
- 1コースは、逃げがメイン
- 2コースは、差しがメイン
- 3コースは、まくりとまくり差しが同格
- 4コースは、まくりがメインで、まくり差しが度々発生
- 5コースは、まくり差しが占める
- 6コースは、まくり差しがメインで、抜き
それでは、各コースごとの第一ターンマークの攻防の予想について紹介していきます!
1コース:先に回って「逃げ」を決める
1コースは、決まり手の94.4%が「逃げ」で決まっているので、先に回り「逃げ」を決めるとそのままゴールできます。
1コースで負ける場合は、
- 第1ターンマークでターンが膨らみ内側から「差し」を決められた
- スタートが遅れ、第1ターンマークで外側の艇に「まくり」を決められた
以上の選手の操縦ミスなどが挙げられます。基本的には、1コースの選手の調子が良いときは決まりやすいと考えて良いでしょう。
2コース:「差し」を重視し「まくり」も考慮する
2コースの戦略は、
- 1コースのターンが膨らんだ際、内側を小回りなターンで差す
- 1コースのスタートが遅れた際、外側をスピードターンでまくる
以上の2つと捉えましょう。中でも「差し」は64.3%、「まくり」が24.3%で決まっているので、「差し」を中心に戦略を立てましょう。
2コースのモーター性能が良いと、1コースに勝つ確率もアップするので、モーターにも注目して予想を立てましょう。
3コース:「まくり」か「まくり差し」を素早く判断する
3コースでは、「まくり」が38.4%、「まくり差し」が35.6%とほぼ同じ確率で決まります。そのため、
- 1コースと2コースの外側をスピードターンでまくる
- 2コースの外側をまくり、1コースの内側を差す
以上の2パターンの戦略が立てられるので、「まくり」か「まくり差し」のどちらが決まるか素早く判断するようにしましょう。
「まくり」は、3コースがトップスタートを切ったときや1、2コースのスタートが遅れたときに決まりやすい傾向にあります。
4コース:「まくり」が最も決まりやすい
4コースでは「まくり」が42.7%、「まくり差し」が26.5%なので「まくり」が決まりやすいです。戦略は
- 1~3コースの外側をスピードターンでまくる
- 1~3コースが競っているときに、内側を差す
以上の2パターンが挙げられます。
4コースの艇が「まくり」を決める際は、第1ターンマークに到達するときに、1~3コースの艇よりも前に出なければなりません。
そのため、モーターの行き足や伸び足も意識しながら予想を立てましょう。
5コース:「まくり差し」が狙えるかどうか見極める
5コースでは、「まくり差し」が58.8%、「まくり」が20.5%のため「まくり差し」が決まりやすいです。
- 内側のコースのすきまを「まくり差し」で狙う
- 内側のコースの外側を全速ターンで「まくり」を狙う
以上の2パターンの戦略でレースに臨みましょう。
5コースから「まくり差し」で1コースの攻防を制したいですが、1~4コースの艇が競り合っている際に決まりやすい傾向があります。よって、選手は高度な技術とレース中の判断力が必要です。
6コース:自力での勝利が難しい
6コースでは、「まくり差し」が48.0%、「まくり」が22.6%なので5コース同様「まくり差し」が決まりやすくなっています。つまり、
- 内側のコースのすきまを「まくり差し」で狙う
- 内側のコースの外側を全速ターンでまくる
以上の2パターンが戦略で挙げられますが、5コースより1着を獲得する難易度が高いです。
競艇では、外側のコースほど走る難易度がアップするので、6コースは自力で勝つのは難しいと言えますね。
6コースで1着を狙うには、内側のコースの競り合って混戦状態になった隙をつき、うまく差す技術が求められます。
まとめ:スタートタイミングや第1ターンマークの攻防をしっかり予想できるようになろう
今回は、スタートタイミングや第1ターンマークの攻防の予想方法について解説しました。
〜スタートタイミングの予想方法まとめ〜
- 選手コメントから、選手の自信を判断する
- 平均STかコース別平均STを基準にする
- その節の平均STから、その節の調子を判断する
- フライングが付いている選手には要注意
〜第1ターンマークの攻防予想まとめ〜
- 1コース:先マイができたら9割勝てる
- 2コース:基本的には「差し」を狙う
- 3コース:「まくり」か「まくり差し」の判断を行う
- 4コース:「まくり」が最も決まりやすい
- 5コース:「まくり差し」が狙えるかどうか見極める
- 6コース:自力での勝利が難しい
独特なスタート方法で競技が始まるボートレース。そのため、スタートタイミングは予想の際に欠かせない要素と言えます。
そして、第1ターンマークの攻防をしっかり予想できると、予想スキルも格段に高くなりますし、的中率も上がるでしょう。コース別で決まりやすい決まり手を熟知しておくと予想がしやすいですよ。
ぜひ出走表と照らし合わせながら、レース展開を予想してみてくださいね。